雙北單車百公里 その3 大漢渓買い食いの巻

民生西路を走る

f:id:bikeofair:20191112075628j:plain時差に体が慣れず5時に目が覚めてしまう。ホテルの近くに夜明け前からやっている朝食屋があるので食べに行く。フロントバッグには,順成蛋糕のどら焼きを押し込んだ。6時台なら大稲埕までの民生西路を走ってもそんなに怖くなさそうだ。実際乗り出すと交通量が少ないので特に問題はないのだけどあまりいい気分ではない。自転車を借りた店の前を通って大稲埕の広場に出ると自転車乗りがすでにたむろしていたりして早朝だということを忘れてしまう。

河川敷の自転車道

環島1號線の表示を頼りに上流に向かって走り出すと結構自転車が走っている。走り出してすぐに迷ってしまった。新店渓を渡る橋の入り口が見当たらない。分岐で間違えた方向に入って新店渓に入り込んだようだ。他の自転車乗りに聞いたら橋の入口まで先導してくれた。鬼門は大きな橋で,自転車道から橋へ登る入り口のある場所が意外な場所にあるし,分岐で進むべき方向も直感に反するので気をつけたい。大漢渓沿いに進むには環島1號線の標識を探そう。

話好き爺さん登場

華江橋自行車租借站の壁に張ってあった地図を眺めていたら,ロードバイクに乗っていた人の良さそうな老人に話しかけられた。哪里だけ聞き取れたので鶯歌と答えたら,マシンガントークを浴びせられた。新月橋と言われたような気がしたのでgoogle map上で示したらご満悦だったのできっとそうだったのだろう。また哪里と聞かれたので北海道と答えたら日本と返ってきたので通じたっぽい。

新月

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歩行者と自転車だけが通る人道橋である。つまり大漢渓の右岸と左岸にある自転車道を結ぶためだけに架けられている。さっきの爺さんがわざわざそこを通れというわけだ。一部がガラス張りで水面が見えたりするし,夜間はライトアップされるらしい。つまりお金がいっぱいある。左岸の自転車道は堤防上の道で単調だが路面は極めて良好。

鶯歌

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追い風もあってあっという間に着いてしまう。ここで大漢渓左岸自行車道は終わり,大鴬緑野景観自行車道に入る。大鴬緑野景観自行車道の起点には三鴬龍窯橋と呼ばれる派手な橋があって,新北市政府の自転車に対する情熱と金の余りっぷりを見せつけてくれる。竹輪の中を通るとこんな気分だろうか。インスタ映えポイントでもある。ここでトイレを済ませておくと良い。大鴬緑野景観自行車道は狭い歩道になったり河川敷の公園の中を細かく蛇行したりとかったるい道が続いたあと,大漢渓の水面に近い快適な道になる。舗装も良好。などと思っていると突然工事中で道が終わる。女性二人組の自転車乗りにこっちでいい?とか聞きつつ一般道を進み,謎の盛り土(中荘調整池景観土丘)を左折すると一般道との共用区間に入る。つまりここからは車も来る。実際の交通量は皆無に近く,景色も良いが標識を見落とすと迷う。大渓に近づくと再び自転車専用道に入るが,スクーターが入ってくるので油断がならない。日陰がないのでむっちゃ暑いよ。

大渓

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過剰に装飾的な大渓橋を渡れば大渓だ。ところが大渓市街は河岸段丘の上にあって,橋を渡ったところにあるのは断崖である。エレベータがあるが自転車の持ち込みは禁止されている。台3線の橋の下をくぐって消防署の前の広場へ抜け,土地公という廟の正面の道を突き当りまで行くと月眉古道というトンネルがあって大渓老街へ行くことができる。トンネルの中は階段だが,大渓橋から老街へ直接登る階段よりは短く,緩やかで自転車を押すスロープもある。
大渓で昼食を取るつもりでいたのだが,早朝に出発したのでまだ店が開いていない。中心部は市が立っていて通り抜けるのも難しい。何か食べ物をと思ったけど八百屋ばかりですぐに食べられるようなものがない。結局セブンイレブンの前に出ていた(赤豆餅)お焼きの屋台やジューススタンドなどを探してあれこれ食べたり飲んだりした。観光客に人気の店は開くのが遅く,朝早くから開いている地元向けの店は店構えが地味でわかりにくいかやや離れたところにある。午前中早くに開いている食べ物屋を探すときは「早餐店」で検索すると良い。後で気がついた。この時点で47 km。

三坑老街

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大渓橋を再び渡り左岸に戻る。ここからは三坑鐵馬道という名前になっている。自転車専用道路があるのは崁津大橋までで,そこからは一般道に標識があるタイプの自転車道になる。道幅は狭いが,交通量はほぼ皆無で快適な田舎道である。分岐や交差点にはおおよそすべて標識があるが,実は自転車道に指定されている道が複数あるので分かりにくい。おそらく三坑老街から出発して周回できるようになっているのだろう。地図も数箇所に設置されているが退色して読めなくなっていた。標識にしたがって進むと三坑自然生態公園に到着する。公園を進んで突き当りまで行くと大平紅橋への分岐がある。ここから三坑老街へは路面の悪い激坂を登らなければならない。この区間は本当にひどく,下るのは絶対に避けたいし,登るのも嫌なので公園の入口から一般道を進むか,石門大圳自行車景觀歩道(後述)来たほうが良い。f:id:bikeofair:20191112123756j:plain
三坑老街は,こぢんまりした集落で風情はあるけど平日は何もないし誰もいない。いろいろな記事で目にするにぎやかな写真は休日の風景で,平日は菜包屋と雑貨屋以外は閉まっていて閑散としている。水は雑貨屋で買える。ここでは菜包を食べた。饅頭に見えて実質(日本語の)餅なので面食らうがうまい。帰りは石門大圳自行車景觀歩道を通って帰る。ここは用水路沿いの専用道で木陰が嬉しい。数kmで一般道に接続して終わる。ヘアピンカーブを何個か降りて三坑鐵馬道の本線に戻る。三坑自然生態公園の激坂よりは遥かにマシなので往復ともこちらを使ったほうが良さそうだ。

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鶯歌再び

鶯歌には自転車用の陸橋があるのだけど,自転車に乗って渡ると欄干が低くてちょっと怖い。宜蘭土包仔で肉包を買い,尖山路の川沿いにあったベンチで食べた。おすすめ。セブンイレブン黒松沙士の塩入りの方。これもおすすめ。おすすめなんだから。

新月租借站

新北市が運営している河川敷のレンタサイクルは自転車を貸し出しているだけではなくて,ペットボトルの飲料やソイジョイなどを売っているので寄った。平日は暇らしくあれこれ話す。北海道に自転車旅行に行ったんだってさ。河川敷のレンタサイクルで飲み物や食べ物が手に入るのは覚えておこう。

跨越單車

自転車を返して,精算して終了。自転車の調子は概ね良かったけど,インナーローに入れると変な音がしたのはご愛嬌。

 まとめ

  • 台北市中心部の河川敷から三坑老街までは自転車道がある
  • 鶯歌より先は一般道が自転車道に指定されている
  • ほぼ交通量皆無だが当然車も来る
  • 大渓市街へは月眉古道を通るとよい
  • 菜包も肉包もうまい
  • 早朝から開いている飲食店は「早餐店」で検索